HOME > ギャラリー > ギャラリー一覧 > ギャラリー詳細

ギャラリー詳細

画像からくり第39回 フリップブックと科学

 

Fig.1_「クロノフォトグラフ」のフリップブック1)

画像技術の歴史においてステレオ写真などと比較し,映画は完成時期がかなり遅い(何を基準とするかは見解が分かれるが)といえる.1895年,リュミエール兄弟による映画の上演が,現代に繋がる映画技術の完成とされている.それに先立つ約60年間は,動く画像を撮影・再現する挑戦の時代であった.歴史的な取り組みをフリップブックの形としたのが,Fig.1の出版物1)である.フランスの高名な研究者,エティエンヌ=ジュール・マレー(Étienne-Jules Marey,1830−1904)は,ヒトや鳥の体の動きを解析するため,ガラス乾板を用いて高速度シャッターで写真を連続撮影する試みを精力的に行った.乾板上の分解写真は「クロノフォトグラフ」と名付けられ,人体以外では,飛んでいるカモメが有名である.今回取り上げた書物は,走り幅跳びの様子をフリップブックとしている.
著者:桑山哲郎

次へ