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ギャラリー詳細

画像からくり第38回 いろいろなモアレのパターン

 

Fig.1_モアレ縞の原理説明図

まず技術的な側面として,全く新しいパターンが生じるメカニズムについてFig.1を用いて説明する.モアレの原理説明には「空間周波数ベクトル」という数学的な道具を用いる.画像工学の分野では,2次元画像を,いろいろな方向に対する周期構造(正弦波の縞)の和として扱うことができる.ある周期構造に対し,周期構造に直交した方向で,ピッチと反比例する長さのベクトルを「空間周波数ベクトル」と定義する.すると,モアレシートを重ねてできる強度分布,モアレ縞は2つのベクトルの和および差の空間周波数ベクトルとして特性づけられる.2次元のモアレでは,格子をプリントした1枚の紙からづ系の形に切り出し,方向を変えて貼り込むことで,画像の部分ごとに異なった空間周波数ベクトルを持たせることができる.同じ面内ピッチの格子を小さな角度で重ねると,差ベクトルの長さは大変短くなり,生じるモアレ格子の面内ピッチは大変大きくなる,これが,元のパターンと見かけが違うモアレ縞を生じるメカニズムになっている.他方多くのモアレ(厳密にはスリットサンプリング)絵本では,画像は元の絵から,細かいスリット状に切り出して配列されている.この点でモアレの画像とは作り方が違っている.
著者:桑山哲郎

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